未踏への黙示

一面の無を背景に

果肉の中途までの崩壊と

花びらの危うい未完との谷間に

滴り落ちる怨恨の反芻

闇を切り結ぶ明日(アシタ)の血

谷間の未決定を流れることも知らぬまに

微小な変移のインテグラル

粘性の故の思わせぶりな抵抗と

羞恥に塗れた密やかな固化!

 

誰も知らない生温かい風景の内側で

枯れ果てた名前だけの小さな果肉が

恋しい花びらのささやかなふくらみを

微かに支え始めたと知ったとき

色濃い時間は尚も果肉を見捨てて

見えない花芯の中核に過剰に溶け込んで行った

無残な果肉の不安定と醜態とが唯一

未だみすぼらしい花びらの根拠であるとは

何と罪深いことか!?

遠大な焦燥が

風化した血塊に細切れの絶望を貼り付ける

 

ああ そんなとき

哀れむように残された

僅かな甘味を整頓するとは

何と衰弱し果てた果肉の美学であることか

今はただ

世界が安定を構成し得ない関係の絶対性の中で

花びらの歴史にかかわる深い理由が分かるまで

この風景の荒涼に耐えることが相応しい・・・

 

この新しい世界の朝

花びらの中核に渦巻く

濃密に凝縮した時間の内には

新たな果肉への

激しい逆流の予兆が!・・・

 

*詩のための注というのも、変な話ですが、これは生の二元論の緊張と覚悟を

 表したものです。例えば、果肉=生活、花びら=思想というふうに捉えて頂

 ければ、より深いご理解も、承れ得るのではないかと、存じ申し上げる次第

 です。

 

 

 

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