紫陽花・・・ただ、一人の人のためだけに

時が胸を叩き息が空に抜けるような

人が生きる時圏では

地から湧き出ずる水が再び素早く

乾いた砂地に吸い込まれて行くように

歳月が何と瞬く間に過ぎて行くことか・・・

今年もまたいつもと同じように

雨に鈍く輝き濡れた紫陽花の季節が

静かに深く流れ去ろうとしている

人待ちの容姿を示しながらも

容赦なく過ぎ去ろうとしている・・・

ならば去れ去らば去れ

されど生き我は生き行く

この季節の後彼の人も生き行く

離れ行く容姿を現しながらも

決して消えることは無く・・・

石膏の粉の中に淡く浮んでいるその姿

今も小刻みに波打つ鼓動のようにこの胸に映る

今生再び逢うことが無いとしても

幸せであれ

永遠に幸せであれ・・・

※時は、如何にも速く流れ行く。20年、30年も、あっという間だ。・・・その昔に抱いた恋心も、淡く消え去るのみか。・・・

いやいや、追憶は消失を許さない。故に、今は早、遠く離れてはいても、独り誰知らず、彼の人の幸せを祈るばかり。・・・

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